伝えたい。あなたに。"second story"
深呼吸しなきゃ。
このまま持ちこたえて。
お願い。お願い。


けれど、そんな願いは虚しかった。


ギュッと心臓がつかまれたように痛み、息がうまくできない。

発作の波が過ぎるのを待つしかない。"発作が出たときは、ゆっくり息をする。"
山瀬先生の言葉を思い出す。


『あの、本当に苦しいなら救急車よびますが。』


額に汗が流れる。
死ぬんじゃないかと言う恐怖感に襲われて、体がガタガタと震え出す。
もう耐えられない。


頭の中に鼓動と呼吸が響く。あと何回繰り返すのだろう。意識が朦朧とする。それでも、なんとか姿勢を保つ。聞こえる声が途切れ途切れになる。


『救急車呼びますね。』


『は....い。』



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