伝えたい。あなたに。"second story"
『そうでしたか。』


『うーん。少し脱水があるね。経口補水で様子見よう。点滴するほどじゃない。』


『はい。』


『飲み終わったら、ナースコール押してね。』


ペットボトル1本を1時間を目安に飲む。
これが深夜に課されたミッションだ。


1人小さな光の下(もと)で、ちまちまと水を飲む。


『はあ、それにしても冷たい水。
山瀬先生なら絶対常温のやつくれるのに。
お腹壊しやすいって知ってるから。』


ぶつぶつと文句を言いながら、一向に減らないボトルを眺めた。


もう、お腹ぽちゃぽちゃだし。
深夜にこんなの飲ませて、脱水解決、なんて雑なんだ。


うぅ、寒い。


布団を頭からかぶってボトルを温める。
これで少しはマシになるだろう。
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