伝えたい。あなたに。"second story"
肋骨。
幸いにも折れてはいなかった。
打撲といったところだろうか。
脳にも問題はなかった。
ひとまず胸を撫で下ろす。
コンコンッ
その音に振り向くと、宮本さんが少しだけ顔を出していた。
『どうしました?』
申し訳なさそうに入ってくる。
『実は看護師達から聞いたんですけど、階段から落ちたの、小児科の子が階段に走っていったのを止めようとして、足を滑らせたようです。
当の本人はゆうかちゃんがキャッチしたおかげで、なんともなかったんですけど、、、。』
『階段から落ちたのに、俺に連絡しなかったの?』
宮本さんのせいではないけれど。
『すみません、その後もう一度階段から落ちて、たまたま居合わせた佐々木先生が見てくれたんですけど、大丈夫そうだから、部屋に送っていっての一言で。』
『もう一度階段から落ちるってどういうこと?』
『何が起きたかはまだ分からなくて。』
『そうだよね。ありがとう。』
佐々木がたいして診察もせず、大丈夫と言ったことにも呆れるが、それ以上になんの連絡もせず放置したことが許せなかった。
小児科の看護師長に連絡を入れる。
ゆうかの検査が終わる前に、状況を把握したかった。
『それで、、連絡が遅れたと?』
『申し訳ありませんでした。』
佐々木の判断はともかく、激昂した母親の対処に追われて、患者の対応を蔑ろにすることが許されるのか。
感情的になるのは好きじゃない。
『患者の容態を過小評価することほど、危険なことはありませんよ。以後、気をつけてください。』
怒りのオーラは出してきたつもりだ。
ポケットに入った外泊許可の紙が紙切れになった。
はぁ。
なんでこうも上手くいかないのか。
ベッドに眠るゆうかを見て悔しくなった。
でも、階段に走る子供に手を伸ばしたのは、ゆうかの意思だろう。
『ごめんな。』
そんな言葉しかかけてやれなかった。
幸いにも折れてはいなかった。
打撲といったところだろうか。
脳にも問題はなかった。
ひとまず胸を撫で下ろす。
コンコンッ
その音に振り向くと、宮本さんが少しだけ顔を出していた。
『どうしました?』
申し訳なさそうに入ってくる。
『実は看護師達から聞いたんですけど、階段から落ちたの、小児科の子が階段に走っていったのを止めようとして、足を滑らせたようです。
当の本人はゆうかちゃんがキャッチしたおかげで、なんともなかったんですけど、、、。』
『階段から落ちたのに、俺に連絡しなかったの?』
宮本さんのせいではないけれど。
『すみません、その後もう一度階段から落ちて、たまたま居合わせた佐々木先生が見てくれたんですけど、大丈夫そうだから、部屋に送っていっての一言で。』
『もう一度階段から落ちるってどういうこと?』
『何が起きたかはまだ分からなくて。』
『そうだよね。ありがとう。』
佐々木がたいして診察もせず、大丈夫と言ったことにも呆れるが、それ以上になんの連絡もせず放置したことが許せなかった。
小児科の看護師長に連絡を入れる。
ゆうかの検査が終わる前に、状況を把握したかった。
『それで、、連絡が遅れたと?』
『申し訳ありませんでした。』
佐々木の判断はともかく、激昂した母親の対処に追われて、患者の対応を蔑ろにすることが許されるのか。
感情的になるのは好きじゃない。
『患者の容態を過小評価することほど、危険なことはありませんよ。以後、気をつけてください。』
怒りのオーラは出してきたつもりだ。
ポケットに入った外泊許可の紙が紙切れになった。
はぁ。
なんでこうも上手くいかないのか。
ベッドに眠るゆうかを見て悔しくなった。
でも、階段に走る子供に手を伸ばしたのは、ゆうかの意思だろう。
『ごめんな。』
そんな言葉しかかけてやれなかった。