伝えたい。あなたに。"second story"
お母さんと朝ご飯を食べた。



お茶好きなお母さんの入れる紅茶は格別だった。



おいしい。



ほっとする。



お母さんお気に入りのお茶を持たせてくれることになった、カモミールのハーブティー。



体にも優しいらしい。



それにしても、お腹が痛い。



香奈さんが湯たんぽやら、毛布やら持ってきてくれるけれど、一向に良くならない。



生理2日目というのもあるかもしれない。



以前なら鎮痛剤を飲んでいたけど、入院の身では飲めない。


『山瀬先生に聞いてみたら?薬飲んだら楽になるのに。』


あまり気が進まない。



昨日も夜中に見てもらって、半日休みの今日まで、、



先生にも休んでもらわなきゃ、困る。



倒れてしまったらそれこそ。



『うーん。』



机に突っ伏す。



『ゆうか、横になってきたら?』



『いやー、部屋は寂しいもん。』



『寂しがりやなのね。ここで良いなら無理にとは言わないけど。今日は温かいご飯にするから。』


『うん。』



香奈さんが背中をさすってくれる。



少しだけ和らいだような気がした。



映画を見ながらほとんどを過ごした。



よりによって、香奈さん推薦のホラー映画。



心が温まるどころか、恐怖で体が震える。



それでも一緒に過ごした時間は楽しかった。



また、病院に行っても頑張れる気がした。



部屋に戻って横になる。



さっきのホラー映画が思い出されて、なかなか目をつぶれない。



あぁ、怖かった。



しかも病院が舞台のホラー映画。



なんてことをしてくれたんだと今になって思う。



< 51 / 243 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop