伝えたい。あなたに。"second story"

山瀬の不安

『ゆうか?ゆうか、わかる?』


あっという間に体が脱力していく。後ろからだと支えきれない。床に横たわらせるのは忍びないが仕方ない。体を横向きにして、呼吸しやすいようにする。脈はとても速いが、まずいほどじゃない。



PHSでナースを呼ぶ。
事前に佐々木はNGと伝えておけばよかった。



ゆうかのことだから、我慢したのだろう。



『どうしました?ゆうかちゃん!』



『とりあえずベッドに上げたい、手伝ってもらえます?』



『わかりました。』



『ゆうかちゃん突然ですか?』



『いや、さっき佐々木先生が採血したでしょ?』



『そうだったんですか、だから、、』



『うん、伝えてなかったからさ、これからは当たらないようにして欲しい。多分、またこうなるから。』



『わかりました、しっかり伝えておきます。』



『血圧測ってもらっていい?おそらく低いと思うけど。』



思ったより意識の消失時間が長い。
すぐ回復すると思ったけれど。



『ゆうかーわかる?』



軽く肩を叩くも、反応はない。



『血圧98の65、心拍数85です。』



『ありがとう、大丈夫そう。』



明日からの出張が思いやられる、、。



特に出張中の当番医の一人に、佐々木がいたのは流石に頭を抱えてしまったが、他の上級医も気にかけてくれるというので、任せることにした。



祈るしかないか。





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