伝えたい。あなたに。"second story"
(生食で洗い流してもらえる?)


(てぶくろー)


『ゆうか、わかる?頑張って目開けててよ。』


時間が経つにつれて視界がグラグラしてくる。


貧血のせいだろうか。


(聴診器貸してもらえます?)


救急車に乗って、私に聞こえてきたのは山瀬先生の言葉だった。


『山瀬先生、、、』


『うん、大丈夫よ。今止血だけして病院行くからね。頑張ろうね。』


再び左腕が強い力で押さえられる。


『い...たい!』


思わず右手を伸ばす。


『ごめんね、押さえさせてね。』


右手を押さえて救急隊の人が言う。


『酸素マスクつけるよ。』


なすがままだった。
また戻るんだ。


そう思うとさらに涙が溢れた。
病院に着く。



ここがどこの病院なのかはわからない。



『病院つきましたよ。』



誰かが言う。



ぼやけた視界はそのまま暗くなった。


< 77 / 243 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop