伝えたい。あなたに。"second story"
ピッピッピッピッピッ



目を開ける。



この匂い。



病院だ。



でも、部屋に見覚えがなくて、不安になる。



どこからか話し声が聞こえる。



ゆっくりと起き上がった。



その時、カーテンの向こうの影が動いた。



『目覚めたね。気分はどう?』



優しく微笑むのは山瀬先生だった。



また涙が溢れてくる。



理由はわからないけど。



『大丈夫、大丈夫』



そう言って優しく背中をさすってくれる。



『びっくりしたね、もう大丈夫だからね。』



怖い



怖い



また体が震えてくる



かけられてたタオルをギュッと握る。



左腕にまだ痛みもある。



無意識に傷に手を伸ばす。



『触らないで。』



そうして、震える私の手を握った。



『深呼吸して、ゆっくり落ち着こうね。』



手のひらを通じて感じる温もりがなにより安心できた。








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