伝えたい。あなたに。"second story"
部屋を出てナースステーションに、



『ちょくちょく見に行ってあげて?意識戻ってもナースコール押さないと思うから』



いつもの決まり文句だ。
ナース達もわかりきっているという様子だ。
外来終わりの広瀬に声をかける。



『ゆうか、佐々木先生にまた失敗されて、突然意識なくしちゃった。また俺怒られる。』



『またやったんですか?それは怒られても仕方ないですよ』



『俺は悪くないのに。』



『まあまあ、それより出張大丈夫ですか?』



『伝えたけど、反応薄かったよ。俺はいない方がいいんだな多分』



『そんなことないですよ、山瀬先生は最後の砦なんですから。僕明日出発遅いので、見ときますよ。』



『ああよろしく。』



俺にとって最後の砦の広瀬も離れるとなると、嫌な予感しかしない。
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