伝えたい。あなたに。"second story"
またあの日と同じ音、、、



そういえば鍵かけてる、、



現実に引き戻される。



床に生えつくばりながら玄関に向かう。



はぁ、、はぁ、、



時々強くなる痛みの波に耐えながら



ピンポーン、、コンコンッ



『救急隊です。』



うぅ、、



最後の力を振り絞る。



カチャッ



それと同時にドアが開いた。



冷や汗が出る。



『わかりますか、お名前言えますか。』



言葉を発することがままならない。



時間の流れがスローモーションだった。



この苦しみから解放されたい。



『わかりますかー』



聞こえてても、反応できない。



玄関から吹き込む冷たい風が肌に刺さる。



(さ、、むぃ、、)



無意識に出た言葉だった。



『うん、毛布かけるね。』



同時に毛布でくるまれる。



酸素マスクも、つけられた機械も、自分の弱さを物語っているようで辛かった。



左腕に触られるたび、思い出す。



サイレンが鳴るたび、思い出す。



恐怖の地獄に突き落とされた私は、どうやって生きれば良いの。



『もう、、やだ、、』



『もう少し、頑張ろうね。』








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