伝えたい。あなたに。"second story"
私はその日夢を見ていた。



太陽の光が照らす道を誰かと一緒に歩ってる。



暖かい。



幸せ。



手の温もりと、隣にいるだけで満たされる心。



ずっとこんな日が続けばいいのに。



ぎゅっと、抱きしめられる。



その香りは間違いなく泰志さん。



だんだんと力が強くなる。



(苦しいってば。)



そう言って顔を見る。



え、、



やめて!



離して!



いやあ!!



それは紛れもなくあの男の顔だった。



いや!いや!



(ゆうか、ゆうか!)



...............



『やめて、、』



『ゆうか?病院だよ、大丈夫。』



目の前にいたのは山瀬先生だった。




全身の力が抜ける。



代わりに涙が溢れる。



ただ、静かに涙が流れるばかりだった。
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