伝えたい。あなたに。"second story"
コンコンッ



『こんにちは。』



広瀬先生の声だ。



『新しい部屋には慣れた?こっちの方が少し広いよね。』



『はい、でもいつものところの方が落ち着くんです。』



『そうだよね。僕も広い部屋より窮屈な物だらけの部屋の方が落ちつく。』



『もしかして広瀬先生の家足の踏み場もないんですか。』



『し、失礼な。そんなことないよ。ふふふ、、』



『怪しい、、』



今日の広瀬先生はテンションが高い。



『ところでゆうかちゃん、調子どう?』



『まずまずですよ。』



『あ、濁したでしょ。だめだよ〜正直に言わないと。』



『山瀬先生に貧血気味って言われましたけど、大丈夫です。』



『そっか、ご飯おいしかった?』



『はい。おいしかったですよ。』



『何でたの〜?』



食べたものしか覚えてないや。



『えっと、、コーンスープ、、』



『そっか、コーンスープ僕も好きだよ。』



少しの間沈黙が流れる。



『あの、、、』



沈黙が気まずくて声を発する。



『はい!』



『いや何でもありません。』



『いやいや何かあるでしょう。気になるわー。』



『気にしないでください。』



『はーい。
そうそう僕おしゃべり好きだから、他の人に話しかけると、うるさいって邪険にされちゃう。こんなに話してくれるのゆうかちゃんだけよ。』



『そうなんですか。』



広瀬先生のお茶目な部分にはいつも頰が緩む。



『広瀬先生からも、元気もらってますよ。ありがとうございます。』



『お礼をいうのはこちらの方さ。ありがとう。』
< 92 / 243 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop