シンデレラは王子に攫われる

もう何年も麗美は連絡を取っていない。愛叶はとても忙しい。それに、芸能界には自分よりも綺麗な女の子はたくさんいる。

「やっぱり、綺麗な女の子の方がいいよね……」

麗美の腕や足は、母と姉から受けた暴力で傷だらけだ。一生治らない傷痕ばかり残っている。こんな汚い腕や足は、愛叶に見せられない。

麗美はゆっくりと目を閉じる。すると、睡魔が麗美を襲っていった。



それからも、朝から晩まで働く日々が続いた。朝は四時に起きて食事の準備や洗濯、二人のお弁当を用意する。お昼は会社で働き、帰って来たら掃除などまた家事に追われる。

「疲れた……」

母や姉が眠った後、ようやく麗美はソファに座れた。今日はいつもより疲れている。部屋に行くことさえ億劫だ。

「そういえば、今日は新しいドラマがあるんだっけ」

マイナスな気持ちになる前に、麗美はテレビをつける。すると、深夜のトーク番組がやっていた。愛叶が喋っている。