意識転送
「うわああ!!凄い!!」
興奮した僕の声が響く。

3m幅、縦は5mくらい。
決して広くはない、煉瓦の敷き詰められた洞窟。

正確には洞窟かどうかも解らない。
ピラミッドの一角かもしれないし、
どっかのお城の隠し通路かもしれない。
でも、雰囲気はそんな感じ。


僕たち3人に課せられた使命は
まずこのダンジョンのクリアー。


3人欠ける事無く、だって。


僕は健二。
普通の男子校生。
必死になって手に入れた新作ゲームの無料体験チケットに
狂喜乱舞して、今に至。


そう、これはゲーム。


小さなゲーム会社が開発した
体験型のゲーム。


でもただの「体験」じゃないよ。
意識を、そのままダンジョンに転送する。
やられれば、痛みも感じる
リアルなゲーム。


クリアーが絶対条件。


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