意識転送
好奇心だけで、先に進みたがった僕を止めて
計画を練って的確に行動した方が良い、
と言ったのは浩一だった。


何よりリアルなゲームなのだから、
モンスターもいれば、攻撃だってされる。
ゲーム内で死を迎えれば
現実世界で目覚めるルールとはいえ、
死ぬ感覚を味わうのも、少しでも痛いのも、嫌だ。
なんて言うんだ。


そんなのスリルがない、とグズる僕に
「これが攻略だろ」と、
ゲーマー心理を煽り


作戦なんて面倒だと、言うジローには
「この方が早くクリアー出来るに決まってる」と、
ジローが一番望む一早い帰宅をチラつかせてた。


「僕は何か間違った事を言ったか?」
浩一は心底意地悪に唇を引き上げて僕らを一瞥した。


背中に感じたゾクゾク。


僕、こいつが居ればモンスターだって恐くない気がするよ。。。
















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