ねえ、理解不能【完】








「静かにしたら聞こえちゃうんだってば」




お母さんには聞こえない声で反抗的なことを言ってみたけれど、怒られてもっと気分が下がるなんてことにはなりたくなかったから、ベッドからおりて曲の停止ボタンを押す。




しーんと静まりかえる部屋。
少しだけ上がったテンションも、すぐに下がってしまう。




「青ー!もう、かけないでよー!」



再び聞こえたお母さんの大きな声。
短気にも程があるよ。嫌になっちゃう。





「お母さんの方がうるさいし」




今日は、本当についてない。




カーテンの向こうには、千草と広野みゆちゃんがまだいるはずだ。

そんなに話したいことってある?天気のお話でもしてるの?広野みゆちゃんが一方的に?




.......いいかげん帰ってほしいよ。



それか、見せびらかすみたいに玄関のところで話すんじゃなくて、どうせなら千草の部屋で話してほしい。


千草の部屋に広野みゆちゃんがいるのも、微妙に引っかかる部分があるけれど。



見せびらかされるよりは、きっとましだ。







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