ねえ、理解不能【完】
そんなことをぐるぐる考えながらしめきったカーテンを睨んでいたら、私の耳は、また窓越しに女の子の声をとらえる。
意味不明な涙が迂闊にもこぼれそうになって、私は毛布にくるまった。
真っ暗闇のなか、何も見えないように、何も聞こえないように、何も考えないように。
そうしたらいつの間にか眠ってしまい、気づいたら夜の10時だった。
ついてない。
本当についてない。
お母さんは起こしてくれないし、夜ご飯は食べそこねてしまったし、何より夏前なのに毛布にくるまっていたせいで汗もたくさんかいていて気持ち悪い。
寝ぼけた目をぼんやりとカーテンに向ける。
結局、千草と広野みゆちゃんはいつまで話してたのかな。あの後、千草の部屋に行ったのかな。
.......千草は明日も明明後日もこれからずっと、広野みゆちゃんと帰るつもりなのかな。
恋愛に関しては経験豊富な千草だけど、今まで登下校と放課後の時間は全部わたしと一緒にいたのに。
これからは広野みゆちゃんと帰るようになって、いつの間にか朝も一緒に行くようになったりして。
……そんなの、嫌だよ。
やっぱり、すごく嫌だ。