ねえ、理解不能【完】
朝のチャイムがなって、私は自分の席に戻る。
朝の教室は騒がしい。
だから、私が戻ったあと。
「青が気づいていないことは、絶対川瀬くんが言っちゃダメだよ。たとえ、それが自分に有利になるとしてもだよ。そこだけは旭くんの気持ちを尊重しないと、私が許さない」
「あはは、そんなに怖い顔しないでよ。大体わかってるから。それに、白崎の知らないこと俺が気づかせても何ひとつメリットなんてないし」
「私は応援も邪魔もしない」
「旭は彼女いるじゃん。どうせなら応援してよ」
真剣な顔でこっそりとそんな会話をしていたことなんて、全く気づかなかった。