ねえ、理解不能【完】





川瀬君は私の机にのせた腕に顎をおいて、じっと私を見つめてきた。

不覚にもドキッとしてしまうから、やめてほしい。


川瀬くんは人畜無害、川瀬くんは人畜無害....... 精神統一しようと思うのに、瞳がぱっちり合わさってしまっていて思うようにいかなくて。



「あのさ。何か関係あんのって感じかもしれないけど、」

「うん」

「これからあの人の代わりに俺が白崎と一緒に帰るようになったら、何か変わるかもしれないよ?」

「....え、」




私は目を大きくしてしまう。

そんな返事、全く予想していなかった。


私と川瀬くんが一緒に帰るようになったら、どうなるの?本当に、 関係ない気がするんだけど。





それに、



「そんなの、川瀬君に悪いよ」



私と千草のことでそこまでしてもらうのは、いくらなんでも申し訳無さすぎる。


そんなことしてもらう義理もないし、川瀬くんに何かしてあげたわけじゃないし。




< 127 / 450 >

この作品をシェア

pagetop