ねえ、理解不能【完】
川瀬君は私の机にのせた腕に顎をおいて、じっと私を見つめてきた。
不覚にもドキッとしてしまうから、やめてほしい。
川瀬くんは人畜無害、川瀬くんは人畜無害....... 精神統一しようと思うのに、瞳がぱっちり合わさってしまっていて思うようにいかなくて。
「あのさ。何か関係あんのって感じかもしれないけど、」
「うん」
「これからあの人の代わりに俺が白崎と一緒に帰るようになったら、何か変わるかもしれないよ?」
「....え、」
私は目を大きくしてしまう。
そんな返事、全く予想していなかった。
私と川瀬くんが一緒に帰るようになったら、どうなるの?本当に、 関係ない気がするんだけど。
それに、
「そんなの、川瀬君に悪いよ」
私と千草のことでそこまでしてもらうのは、いくらなんでも申し訳無さすぎる。
そんなことしてもらう義理もないし、川瀬くんに何かしてあげたわけじゃないし。