ねえ、理解不能【完】
拒絶と告白
◇
それからしばらく川瀬くんと帰る日が続いた。
二人で帰ろうとして廊下を歩いてる時、千草とすれ違ったりなんかもした。こっちを見ようともしなかったけど、絶対に気づていただろう。
千草は相変わらず広野みゆちゃんと付き合っていて、順調なんだと思う。
広野みゆちゃんは、私をみかけると「青ちゃん」って声をかけてくる。
どうせ、千草と私が最悪な状況ってよく知ってるくせに感じ悪いなと思うけど、それが一種の僻みだってことは認めてるから、とりあえず作り笑顔を振りまいているの。
偉いでしょう?褒めて欲しいくらいだ。
そんなぱっとしない憂鬱な日々。夏の蒸し暑さにやられそうな朝が続いたから、油断したんだと思う。
眠たい目を擦りながら家を出ると、久しぶりに千草に遭遇してしまった。
ずっと朝早く起きて千草と時間がかぶらないように登校していたけど、今日はかなり時間を遅らせてしまったせい。
ドアを開けたら、ほとんど同じタイミングで隣の家の扉が開くものだから、本当になんてタイミングなの、なんて思いながらも、久しぶりに学校以外で見る千草の姿に嬉しさなんかも感じちゃったりして。