ねえ、理解不能【完】
「青、あと一本見る?」
「……見る」
千草が二つのDVDを右手と左手にもって、私に見せた。
だけど目は伏せていて、私と合わせようとしない。
なんとなく気まずい空気が漂う。
千草が真剣な顔で、『そんなことない』なんて言うからだ、ばか。
「右のほうが見たい」
「ん」
アクション映画で最近のもの。
千草が借りてくれるDVDは趣味が合うのかなんなのか私が好きなアクション映画ばっかりだ。