ねえ、理解不能【完】
「なんだかんだ、午後から二人でいるのが一番楽しかったねー」
「うん。.....私正直ね、ダブルデート途中で疲れちゃった」
「俺も。なんか、見たくないもんとかそういうの見ちゃって、あーあってなったりして。青が照れてるところなんて、見せなければよかった」
「えー、どういうこと?」
「うーん、大したことじゃないんだけどね」
デパートを出て、結局午後からは私の家の近くでカフェで日が暮れるまで話した。それで、今、ゆうが家まで送ってくれている。
夏の夕方の風は生温くて、だけど昼よりも優しくて心地いい。
私の家の前まできて、ゆうが足を止める。
繋いでいた手を解いて、私に向き直った。