ねえ、理解不能【完】
「食べよっかあ、お腹すいたし」
妃沙ちゃんが、いちご大福に手を伸ばしたから、私はアップルパイを食べることにした。
思いっきり大きな口をあけて、かぶりつく。
サク、と軽やかな音をたてて、そのあと広がったリンゴとシナモンの風味。思わず、頰がゆるんで、目を閉じてしまう。
「おいひいー!」
妃沙ちゃんにほとんど任せてよかったよ。手作りの温かい美味しさ。
続けざまに、いちご大福もひとつ食べる。
かぶりついた瞬間に、じゅわっていちごの甘さがもちもちの大福のかわと合わさって。
妃沙ちゃんもナイスだけど、いちごを包んだ私もナイスだ。あまりの美味しさに自分で自分のことも褒めてあげる。