ねえ、理解不能【完】
不機嫌なきみ
◇
「青―!千草くんもうきてるわよ-!」
朝、階段の下から突然聞こえてきたお母さんの大きな声。
人を待たせるなんて絶対ダメ!なお母さんは、結構本気で怒っている様子。
千草なんて遅れても謝れば全然許してくれると思うけど、なんてぼやいたら、ゲンコツされそうだから、はーい、と大きい声で返事しておいた。
といっても、まだ用意は途中なので、部屋を出るわけにはいかないんだけど。
「青ー?!はやくしなさいって!」
またすぐに聞こえた怒り声に、私はちょっとイラってきちゃう。
.......そんな秒で用意が終わると思ってるの?
「今、行くって言ってるじゃん!!」
今日は髪の毛をどうしてもツインテールにしたくて、鏡の前で朝から奮闘していたの。
だけど不器用な私は、なかなか左右同じ高さに結べなくて、いつの間にやらかなりの時間がたってしまったってわけだ。
ほんとうは、あと少しで上手く結べそうな気もするけれど。