ねえ、理解不能【完】





その気持ちから逃げて逃げて、逃げ続けて。見ないふりをして。

そうやって遠ざけていることさえ気づかないふりをして。






ダブルデートだって苦しかった。

私の隣にいてくれない千草は嫌だった。



私以外の誰にも触れないで。
私を一番に考えて。



それは、幼なじみとしての願いなんかじゃなかったのに。

都合のいい理由ばかりつけて、逃げ回ったのは私だ。








「ち、ぐさ、.......っ、」




もう自分の気持ちからは、逃げられない。






ーー焦げたガトーショコラだって、全部、食べてくれた。




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