ねえ、理解不能【完】
学校に行くせめてものやる気をだすために、朝ごはんにご飯は二杯食べて、髪はゆるくまいてポニーテールにした。
髪と一緒に顔も引っ張られる感覚が、ちゃんとしろ、って言ってくれてるみたいで背筋が伸びる。
いつもならしないけれど、ほんのりピンクの色がついたリップを塗って、鏡の前で、にっこりと笑う練習をする。
腫れた目は誤魔化せないけれど、大丈夫。
きっと、ちゃんと、笑えてる。
今日だけは絶対に誰にもばれませんように。ゆうを思う、千草のことなんて何にも考えてない元気なわたし、に見えますように。
そんな願いをこめながら、ポニーテールに結んだ髪をぎゅっと引き締める。