ねえ、理解不能【完】
朝は、いつも千草と学校に行く。
無口な千草だから会話が弾むわけではないけれど、一人で行くよりは楽しくていい。私の話に相槌をうってくれるし、時々笑ってくれるし。
だけど、今日は千草がいつもより不機嫌だ。
目は伏せがちで、私と話そうともしない。
いつもはもう少し穏やかな顔をしてるのに。
理由はわかってる。
きっと、ツインテールに奮闘して、千草を待たせてしまったからだ。
別に待ち合わせの時間に遅れるのは初めてじゃない。いつもなら謝れば、呆れながら許してくれるのに、今日はそうはいかないみたい。
待った?なんて分かりきったことを私が聞いたから腹が立ったのかな。そのあと、ちゃんと謝った気がするけど。
許して?って腕をからませたのが、癪に触ったのかも。
「今日ね、寝坊はしなかったの。違うの、あのね、髪をツインテールにしようとして、」
一歩前を歩く千草の背中に言い訳をする。
振り向いてくれたっていいのに。
いつもみたいに相槌くらい打ってよ。
それで、隣に並んでよ。
「でもほら、私って不器用でしょ?それでね、結果的にできなくて.......」