ねえ、理解不能【完】







横目でじたっと千草を見る。




千草は面倒かもしれないけれど、
私にだって言い分はある。

たくさんの女の子たちのオトメ心は分からなくてもいいから、せめて私のことは分かってほしい。



千草は私を横目で見返して、
不機嫌そうに首をかしげた。




「なに」


「千草が断ると私が疑われるからやなの」




いつも、千草を紹介してと私に頼む女の子たちは、いざ私が紹介して千草に振られると、千草って青のことが好きなんじゃないの？とか言いがかりをつけて、なぜか私に怒りの矛先を向ける。

やつあたりもいいところだ。


千草のせいで、これまで何度そんな目にあったと思ってるの。



今回頼んできた子は、優しそうだったから大丈夫かなと思ってるけど。



みんな、千草を紹介してと頼むときは、天使の微笑みで私に近づいてくるの。女の私でもドキッとするような可愛い頼み方で頼んでくるんだから断れるはずがない。


そのほとんどが紹介後、千草にあっさり振られて悪魔になっちゃうってオチ付きだけど。






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