ねえ、理解不能【完】
最低なのは私
◇
家に帰って携帯を確認すると、ゆうから不在着信が4件とメッセージがきていた。
また恐怖がよみがえりそうになったけれど、なんとか堪える。ゆっくりと息を吸って吐いて。さっき、私をなでてくれた千草の手を思い出す。
それから、恐る恐るメッセージを開いた。
【本当にごめん】
絵文字も何もない真っ直ぐな六文字の後ろに、ゆうがすごく申し訳なさそうに歪めている顔が思い浮かぶ。
ごめん、と思うならしないでほしかった。
そんなことは、思っても意味ないけれど。
思う資格がないとは、思わないよ。
だけど、分かってる。
私の身体を傷つけたゆうだけど、心だけだったらきっと私のほうがゆうを傷つけていた。
私がやめてと言ったことをゆうがしたのは初めてで、そのことがまぎれもない証拠なんだと思う。
だけど、私が怖かったのも事実だ。許せない、って思ってる。