ねえ、理解不能【完】







それから、携帯のカメラロールに残っているゆうとの写真を見返す。


たくさん、撮った。加工アプリで変なふうにうつって思いっきり笑っていたり、恥ずかしそうにはにかんでいたり。

私が思っているより、写真はたくさんあって、それが一緒に過ごしてきた月日を示していた。



ゆうは、ぜんぶ幸せそうに笑っているんだ。その隣で私はなんて薄情な笑顔を浮かべているんだろう。






せめてもの戒めだと思って、胸の痛みから逃げずに、ゆうとの写真を一枚一枚振り返っていると、



「っ、わ!」




唐突に、携帯の画面が着信表示に切り替わった。

ピピピピ、部屋に響く電子音と、着信相手が表示された携帯の画面。




高校に入る前、携帯電話を買った日に試しで電話番号を交換したけれど、会って話すほうが楽だったし、今まで一度も電話なんてしたことのなかった相手。






____千草、だ。







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