ねえ、理解不能【完】






「青は?」

「教室にいる」

「なあ、……なんで怖がらせた?あいつひとつも経験ない」

「…………、」




「もう、絶対触んないで」



「旭に言われることじゃない」



ばかみたいな忠告に、川瀬は目を細める。

俺に言われることじゃないって、そんなの俺も分かってる。ただの、幼なじみだ。

でもやっぱり許せないんだ。



俺が今までどれだけ我慢していたかお前に分かるか。


無防備に素肌をさらされても身体を寄せられても、手なんて一度も出さなかった。

出したい気持ちを必死に殺してそれで青の隣にいるのが、青がそうやって無防備にすりよってくる度に男として意識されてないことを痛感するのが、どれだけ苦しかったか。


それをお前は、簡単にやってのけて、それで、ひどく傷つけたんだ。




なあ、俺の気持ち、お前に分かるか?





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