ねえ、理解不能【完】






「おはよう~」




クラスで一番仲良しな妃沙ちゃんに声をかける。


今頃、千草は教室について不機嫌を続行したまま机に伏せて寝てるんだと思う。




「青、おはよう。あ、なんか今日大人っぽいね」

「えー本当?嬉しいなあ、ありがとう」





髪の毛を横流しにしているからだろうか。

クールに目標を変更したから、妃沙ちゃんが大人っぽいって言ってくれて、さっきまで下がっていたテンションが一気に上がる。



スクバをロッカーの中に押し込んで、妃沙ちゃんの席にいく。

後ろ姿は朝から凛としていて、寝癖一つない。オシャレな丸眼鏡をしていて、頭もよくて、知的美女とか才女とかそんな言葉が似合う。妃沙ちゃんはそんな女の子だ。



千草もモテるけれど、妃沙ちゃんもモテる。だけど、妃沙ちゃんに告白する男の子は少なくて、みんな陰ながら好意を抱いてる感じ。時々、勇気のある男の子がアタックしてるけれど、妃沙ちゃんは可憐にかわす。


いわば妃沙ちゃんは高嶺の花だ。






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