ねえ、理解不能【完】







「これ割と前のことだよー?」

「えー、ゆり全然知らなかった!ねぇ、誰に聞いたの?」

「みゆ本人が言ってたから間違いないと思う。二週間くらい前かな? 原因は聞けなかったけど、お互い好きだけど 事情があって別れた みたいなこと言ってた気がする」





……お互い好きだけど、事情があって別れた。って。

くっきりとその部分だけが耳に残る。“事情”ってなに?好きなのに、別れたって、千草、それはどういうことなの。





それに、あと一つ気になることがある。

二週間前って、ちょうど千草が私に仲直りをもちかけた頃と重なるんだ。


ゆうと空き教室で話した日、帰ったはずの千草が家の前にいて。仲直りしたいって言った時、もう、広野みゆちゃんとは別れていたのかな。




千草が振られたってどうしても引っかかる部分がある。


だってどう考えても広野みゆちゃんは千草のことが大好きだった。私に連絡先を渡してきたときも、ダブルデートのときも、キスをしていたあの日も、私を睨む時でさえ、千草に恋をしている女の子だった。


それなのに、どうして?








< 385 / 450 >

この作品をシェア

pagetop