ねえ、理解不能【完】







「ーー今日で、千草と一緒にいるのやめる」




「……は、」

「一緒に学校にも行かないし、帰らない」





あわさっている千草の瞳が、かすかに揺れた。



それでも、私は、揺れない。

惑わずに、
精一杯まっすぐに、千草を見つめる。




「な、んで」

「もう、決めたから」

「勝、手」

「……千草だって、ずっと、勝手だった」

「ごめん」

「………、」

「でも、俺は、……一緒にいたいんだけど」




千草の声に切なさが混じっていて、いつもなら絶対に言ってくれない言葉をくれて、瞳は揺れたままなのに絶対に私から顔をそむけない千草に、涙腺が刺激される。



だけど、絶対に泣かないよ。







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