ねえ、理解不能【完】
千草と想いが通じあった次の日、妃沙ちゃんに朝いちばんに報告したら、妃沙ちゃんはすごく喜んでくれた。
「それで、付き合うことになったんだ?」
お姉ちゃんみたいな優しい口調で私にたずねてきた妃紗ちゃんに、うん、って頷こうとしたけど、その直前で動きを止める。
・・・・・・ちょっと待って。
付き合うことには、なってない。
昨日の放課後の出来事をひとつずつ思い出してみる。
好きってお互いに伝えて、過去のわだかまりを解いて、それで手は繋いでいたしキスだってした。
付き合ってるふたりがするようなこと、していた。
それで、十分すぎるほど満たされていたけれど。
「まだ、付き合ってない、かも」
「え、どういうこと?・・・付き合わないの?」
「・・・え、と、えー。・・・・・・ど、どうしよう!妃紗ちゃん!」
千草とは、付き合ったわけではないんだ。
だって、付き合う、とかそういう話はしてない。