ねえ、理解不能【完】
「朝も一緒に行かないし、夕方も帰らない」
それは、ひとつの決意にも聞こえた。
私はゆっくりと瞬きを繰り返す。
広野みゆちゃんのことを大事にする、そんな言葉が続きそうな雰囲気に、耳を塞ぎたい気持ちを我慢してぎゅっと手のひらを丸める。
「ーー幼なじみってそんなもんだよ」
千草の声は切なげで、
それがまた私を混乱させた。
怖い。すごく、怖いよ。
どうすればいい?
ーー私、千草に嫌われたわけじゃないよね?
千草は、私より広野みゆちゃんを大事にするの?