ねえ、理解不能【完】
そんな妃沙ちゃんに、落ち込んでいる自分をうまく隠せたと思ってたけれど。
「なんか青変だよ。どうしたの?」
.......さすが妃沙ちゃんだ。
全然隠し通せていなかった。
妃沙ちゃんが心配そうな顔を私に向ける。
私は今日も川瀬君の席を一度借りることにして、妃沙ちゃんの隣に座った。
「何かあったの?」
妃沙ちゃんの丸眼鏡の奥の瞳は、とっても優しくてお姉ちゃんみたいで。
妃沙ちゃんには、今の気持ちを全部話そうと決める。
「.......あのね、昨日なんだけど。千草と、嫌な雰囲気になってーー」
小さな声で、打ち明けていく。