ねえ、理解不能【完】
五分ほどで全ての経緯を説明した。
妃沙ちゃんは優しく相槌を打ちながら、真剣に聞いてくれた。私も自分なりに、客観的に話せたと思う。
「.......どうすればいいかな、妃沙ちゃん」
恐る恐る尋ねる。
妃沙ちゃんは微妙な顔で、首をかしげた。
「青、聞いて。私ね、旭くんの気持ちもわかる気がするの。旭くんも、青と同じで辛いのかもしれない。もしくは、そういう気持ちをずっと味わってきたのかも。青のことが嫌いになった、とかそうじゃなくて」
「え、っと、」
言ってることがちゃんと理解できなくて、返事がうまくできない。
千草も辛い気持ちを味わってきたの.......?
今までの私、千草に傷つけるようなことをしていたのかな。そんなつもりは、ひとつもなかったけれど。