彼女は実は男で溺愛で
ボタンを留め、不意に視線は胸元に。
ある一点を見つめ、かあっと顔が熱くなった。
彼がお風呂から出てくると、私は半分眠っていて、寝ぼけ眼だった。
「同じ匂いをさせているはずなのに、史ちゃんは甘い匂いがするね」
湯上りの彼は色っぽく、寝ぼけていたはずが、ドキドキと鼓動が速まり完全に目が覚めてしまった。
それでも、恥ずかしくて寝ぼけたフリをしていると、彼は囁くように言った。
「虫除けに、俺のだって印をつけていい?」
印って、なんだろう。
理解できずにいると、彼は私に近づいて胸元に顔を埋めた。