彼女は実は男で溺愛で
彼は胸元にキスをしたようで、そのあと熱くチリチリとした刺激に「んっ」と声を漏らす。
彼から香るシャンプーの匂いも相まって、ドキドキと心臓が騒がしい。
体を離した彼が「史ちゃんが寝ぼけていなければ、襲ってしまいそうだよ」と、危うい発言をしたため、そのまま寝ぼけたフリをしていたら、いつの間にか眠っていた。
鏡に映る、それをマジマジと見つめる。
「これってキスマークって、やつじゃ」
女子校で男性と関わる機会は少なかったけれど、恋人がいる友達の話を聞きかじっていたため、ところどころの知識は豊富なのだ。
「史ちゃん? 平気?」
彼に声をかけられ、慌ててボタンをかけ直す。
「はいっ。今、行きます!」
しっかり上までボタンを閉め、寝室を出た。