彼女は実は男で溺愛で
定時になると、隣の村岡さんを心配しつつ先に上がらせてもらった。
村岡さんも心配だけれど、柚羽が心配だ。
それなのに、柚羽のプライベートの連絡先を知らない事実に気付く。
いつもいつも悠里さんに会いたくて、今は染谷さんに会いたくて。
柚羽とは、お昼休憩だけ。
私自身、仲良くなろという熱意が、足りていなかったのかもしれない。
村岡さんの気持ちにも揺れ、柚羽の気持ちにも揺れ、私はフラフラしている。
経理課に寄ってから、里穂さんのところに行こう。
自分のすべき行動を頭の中で整理して、強く頷いた。