彼女は実は男で溺愛で
「悠里さん、キス魔」
「嫌だった?」
「嫌、ではないです。恥ずかしいですけれど」
「そう」
甘い顔をさせた彼は私を覗き込み、ペロリと唇を舐めた。
思わず「ひゃっ」と肩を竦めると、ふふっと彼は笑う。
「可愛くて、本当、夕食は諦めたくなるよ」
「だ、ダメですよ」
「うん」
並んで料理をして、目が合うとキスをする。
そうして出来上がった料理は、パスタにサラダ、サーモンのムニエルに付け合わせまで。
彼はキスをしつつも手際もよくて、盛り付けはお店の料理みたいだ。