彼女は実は男で溺愛で

 遅い朝食を済ませると、悠里さんは紙袋を2つテーブルに置いた。

「これは」

「いいから見てみて」

 まず片方を見て、感嘆の声を上げる。

「わあ。制服」

 真新しい制服が畳まれ、薄いビニールに包まれている。

「よかった。喜んでくれて」

 穏やかな顔で微笑む彼に「あの本当にお金」と口籠る。

「いいから。こっちも、プレゼントさせてね」

 もう1つの紙袋も私の方へ差し出され、中を見る。

「これ」

 中からはレース使いが大人っぽい、ブラとショーツのセット。
 サイズは今のサイズよりも、カップが大きい。

「常にロングブラとガードルを着ていなくても、こっちの下着も着ていいらしいよ。こっちはデートの時に着てよ」

 里穂さんのニマニマした顔と「初心者には、脱がしにくいものね。あの下着」という言葉が思い出され、顔が熱くなる。
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