彼女は実は男で溺愛で

「悠里さんって、実は照れ屋さんですか」

「そんなわけない」

 片手で顔を隠しても、彼の耳は隠せていない。

「地下室で初めてキスした時も」

 彼に唇を塞がれ、続きは言葉にならない。

「食事は、後にしようか」

「でも」

「ダメみたいだ。スマートに決めるはずだったのに」

 ファスナーを開け、彼は上着を脱ぐと、中はワイシャツのままだった。
 ワイシャツのボタンを外しながら、私の唇にキスをする。

「待って、ください。悠里さんにキスされると、立っていられない」

 動きを止めた彼が耳をかじって「史ちゃん可愛い」と、囁いた。

 抱き上げられ「ひゃっ」と悲鳴を上げると、そのまま寝室へ連れられた。
 そっとベッドに下され、キスをする。

 次第に深いキスへと変わり、ベッドへ体を沈ませた。
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