彼女は実は男で溺愛で
「いえ。別に。体重、私よりはありますよね」
「どうだろう」
視線を逸らす彼に、ムッとして脱衣所のヘルスメーターを持ってくる。
「乗ってみてください」
「なっ。なんで、公開処刑。なんだか、史ちゃん自分家だからか、強気だね」
ブツブツ言う悠里さんは、乗ろうとしない。
「どうして教えてくれないんですか」
「逆に、なんでこだわるのさ」
「サラッと、言ってくれないからですよ」
悠里さんは私に覆い被さるように、腕を回して体重をかける。
「ひゃっ。重っ」
「ほら、感じて」
「えっ。無理!」
笑っていると、悠里さんは耳元でボソッと呟いた。
「もう少し鍛えるから、待って」
「え、今のままで、十分では」
「史ちゃんに、軟弱って思われたくない」
うわっ。
なんていうか、これ反則なんじゃ。
「悠里さん、大好き、ですよ」
「えっ、うん。本当、どんなタイミング?」
苦笑する悠里さんが、回していた腕を緩めキスをする。