彼女は実は男で溺愛で
ベッドに腰掛けると、彼は私にキスをして「おやすみ」と言ってまたキスをする。
そして、ため息を吐いて私を抱き寄せた。
「キスしても、足りない」
彼の消えそうな声に、胸がギュッとつかまれる。
熱っぽい眼差しを向け、彼は再び唇を重ねる。
「ごめん。寝かせてあげられない」
そう言いつつ葛藤しているような彼に、私も本音をこぼす。
「私も悠里さんと」
全てを言い終える前に、彼はもう一度唇を重ねた。
ゆっくりと何度も唇を重ねる彼に、甘い吐息が漏れていく。
彼に触れられるほどに、乱れていく自分に戸惑いながらも、彼に溺れていった。