リグレット・レター
目を輝かせる女の子に、エルサは言った。女の子の手を優しく包む。
『フィンランドで白夜を一緒に見よう。何年先でもいい。絶対に見に来て』
『うん!約束!』
エルサは女の子と指を絡める。日本に来て初めて知った指切りというものだ。固く結ばれたその指に、エルサと女の子は笑った。
この瞬間が、一番幸せだったのかもしれない。
「……ッ!」
エルサが飛び起きると、そこはいつもの自分の部屋が広がっていた。寒色の家具が揃えられ、女の子らしさはテーブルの上の花瓶に入れられた花が唯一放っている。
エルサは両手で顔を覆う。息が苦しく、涙が止まらない。過去のことを夢に見て飛び起きるのは何度目だろうか。
「……ごめんなさい……」
エルサの声が、小さく部屋に響いた。
エルサは中学生から高校の間、日本に留学していた。アニメが大好きで、幼い頃から留学したかったのだ。
ホームステイすることになった家には、エルサと同じく留学しているドイツ人のルイーザ・ミュラーがいた。読書が好きという共通の趣味で、二人はすぐに仲良くなれた。そしてーーー。
『フィンランドで白夜を一緒に見よう。何年先でもいい。絶対に見に来て』
『うん!約束!』
エルサは女の子と指を絡める。日本に来て初めて知った指切りというものだ。固く結ばれたその指に、エルサと女の子は笑った。
この瞬間が、一番幸せだったのかもしれない。
「……ッ!」
エルサが飛び起きると、そこはいつもの自分の部屋が広がっていた。寒色の家具が揃えられ、女の子らしさはテーブルの上の花瓶に入れられた花が唯一放っている。
エルサは両手で顔を覆う。息が苦しく、涙が止まらない。過去のことを夢に見て飛び起きるのは何度目だろうか。
「……ごめんなさい……」
エルサの声が、小さく部屋に響いた。
エルサは中学生から高校の間、日本に留学していた。アニメが大好きで、幼い頃から留学したかったのだ。
ホームステイすることになった家には、エルサと同じく留学しているドイツ人のルイーザ・ミュラーがいた。読書が好きという共通の趣味で、二人はすぐに仲良くなれた。そしてーーー。