初恋してます。
その時だった、ちょうど良いタイミングでお姉ちゃんが私のそばを通りかかる。



「蓮、ちょっと私の可愛い妹をイジメないでくれる?」



『良し、女神降臨だ!』と心の中で叫ぶ私。



「ちょっ、違う、違う!完全に、それは誤解だ……」と困惑の表情で焦る蓮くん。



お姉ちゃんが「ほら、もうすぐチャイムが鳴るから、教室行くよ!」と抵抗しようとする蓮くんの腕を強く引っ張って連れて行く。



廊下をさっそうと歩くお姉ちゃんの綺麗な黒い長い髪がふんわりと風になびく。



お姉ちゃんに感謝、いつも私は頼りにしています。



じゃあ、蓮くんまたね、ごきげんよう。



私は、ほっと胸を撫で下ろした。



自分の教室に戻った私はさっそく小さな手鏡を手にほっぺたに残るうっすら赤い跡を気にしていた。

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