初恋してます。
「そういえば、私、この間ね
、クラスメイトの男子に告白をされたんだ。そうだ、早く返事をしなきゃ……、もしかしたら、もうすぐその人と付き合うかも──」



「うっそだー。それ、絶対に嘘だね。そんなこと言ったら、閻魔様に舌を引っこ抜かれるよ」



「舌を抜かれるのはいやだけど。もし、嘘だったら……、針千本ぐらい軽く飲めるもん!」



「はーい、はいっ」



「お姉ちゃーん、ちょっと、私は真剣に話をしてるんだよ!」



「じゃあ、これだけはあんたに言っといてあげる。本当に好きな人と付き合わないと、幸せにはなれないよ」



私は、ただお姉ちゃんに幸せになって欲しいだけなんだよ──。



「お姉ちゃん。蓮くんと本当にお似合いだよ──」



「どうしたの。ちょっと、あんたは、しつこい」



「だって……、」



「もぉ、いいよ。私の好きな人は、絶対にあんたには教えないから!」



「お姉ちゃーん……」



優衣お姉ちゃんがドアをバタンと閉めて部屋を出ていった。



しつこく聞いたから、ちょっとお姉ちゃんを怒らせちゃったかな。



お姉ちゃんは、蓮くんが好き?



それとも、他の人が好き?



今、誰が好きなの?



凄く気になる。



お姉ちゃんの好きな人が誰なのかが気になる──。



私はお姉ちゃんにしてはいけない質問をしてしまったのだろうか。



この日以来、お姉ちゃんは私とあまり口をきいてくれなくなった。



私のいけない癖だ、気になるとつい真実を知りたくなって……追い詰めてしまう。



私のこんな性格のところを、直さないと。



お姉ちゃん、ごめん──。

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