初恋してます。
ドキドキして、何だか体全体が緊張をする。



いけない、いけない、しっかりと集中しないと。



「スカッとしたいって、言い出したのお前だろう?」



「うん、そうだけど……」



「ほら、今だ。バッドを強く振って!」



ボールがバッドに強く当たる感触があった。



初めてカーンと高い音を立ててボールが遠くへ飛んでいった。



「やったー!!ねぇ、ねぇ、蓮くん今のちゃんと見てた?!」



なんか訳がわからないぐらいテンションが上がって、飛び跳ねる私。



人生で初めてボールを高く打ち上げた、快感だ。



「ああ。お前、俺が思ってたよりも、案外筋が良いかも──」



「──そう?」



眉をぐっと上げ、少し自慢気な顔をして蓮くんにドヤ顔の私。



「さぁっー、俺も負けてられねぇな!」



蓮くんの2ゲーム目が無事に終わった。



急に蓮くんが下を俯いてまずそうな顔をする。



「どうしたの?」

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