初恋してます。
今回のルール、負けた人は勝った人の言うことを聞くこと。



「負けたから。なんでも、私、言うことを聞くよ。さぁっ、蓮くん言って」



「本当だよな、それっ?」



「うん」



「さあっ、何を言おうかなあ?」



「なんでもいいよ」



「じゃあ、山崎 尚太(やまざきしょうた)、アイツはやめとけ」



「えっ?!……どうして、尚太の名前を知ってるの?」



「アイツの兄ちゃん、山崎 真司(やまざきしんじ)って言って。俺と同じクラスメイトなんだ。ちなみに真司と尚太、2人は兄弟なのに性格は真逆なんだよ」



「へぇー、そうなんだ──」



その後、蓮くんから山崎兄弟の話を色々と聞かされた。



真司も尚太も長身でハンサムまでは一緒で。



真司の性格はクラスであまり目立たないタイプ、そして超が付くぐらい真面目、しかも彼女いない歴は年齢と一緒。



「最近になって、尚太はお前に急に接近してきただろう?」



「うん、そうだけど……。凄く私に話しかけて来るようになったし。あと、……困ってたりすると、良く助けてくれたり。──最近、……あっ、やっぱり、いいや。なんでもない……!」



私は、話の最後を必死にあたふたしながら濁した。




そう、つい最近、尚太は私に驚くようなことをしてきた。



私はそのことを今蓮くんに話す必要がないと思ったからだ。

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